戦略リーダーシップ:リーダーシップ論の6つの潮流

リーダーシップとはいったい何かを理解し、それを明らかにしていこうとしたとき、これまでのリーダーシップ研究の変遷からみると、それは一つではないことが理解出来る。
時代の変化の過程で様々な捉え方が生まれ、視点の異なる考え方が並列して、今日までも変遷を続けている。
その潮流を概括すると4つの理論と2つの研究にみることができる。
1つは、今日でも絶えず取り上げられるが、優秀なリーダーに共通する特性を明らかにして、そこから学び採ろうとする「特性理論」である。リーダー研究の原点とも言える。
次にあるのは、こうしたリーダーの資質や特性だけでなく、リーダーの行動に着眼した「行動理論」である。過去のにおいてそれらの代表的理論として、「PM理論」や「マネジリアル・グリッド」などがある。
この2つの理論に続き、これまでの態度とは異なり「普遍的で有効な」リーダー行動は存在していなくて、組織の置かれたその状況や条件によって、そのふさわしいリーダー行動が変わってくると言う「条件適合理論」である。
さらリーダーシップ研究が進み、リーダーとフォロワーとの相互関係性に着目し、社会的交換理論の観点から捉えた、「交換・交流理論」てと発展していく。
時代環境はこのあたりから大きく変わり、特に企業経営においては事業の構造的な変革が求められる様になり、組織の変革をリードできるリーダーのあり方が大きなテーマとなってきた。
この分野においては、組織変革のアプローチが研究され、その代表な研究はジョン・P・コッターらのいう、組織のトランスフォーメーションを実現するリーダーシップ能力である。
さらに、組織を変革するリーダーの視点から、組織を動かすにのどのような大義・動議を持つべきかにリーダシップ研究の焦点があたるようになってきた。
これは企業の更なる社会的責任や社会的貢献を踏まえ、より倫理観を中心としたサーバント・リーダーシップやオーセンティック・リーダーシップといった考え方が重視されてきた。
そして、環境変化の不確実性の増大から、今日では非常時下におけるリーダシップのあり方や、ネット社会の進展のおける情報の非対称性が小さくなっている今日の社会状況において、リーダーシップを如何に捉えていけばよいかと言うように、今まで以上にリーダーシップを捉えていくのにその複雑性はますます増大している。
そして、このような不透明感が出てくると、古来のリーダー研究や、リーダーとしてのリベラルアーツに関しての重要性までが出現してきている。

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