戦略経営は環境と戦略と組織のダイナミックな適合を創りだすところにあります。
環境水準と戦略水準を適合しても、その環境対応の主体者である組織自体がこれらとも適合していかならなくてはなりません。
そうしなければ戦略の実行はかなわないのです。
H.I.アンゾフは乱気流環境に対応する企業における意思決定の対象に、3Sとして戦略(Strategy)と組織(Structure)とシステム(Systems)とその適合関係を指摘しています。
ここでの組織とシステムは企業全体としての「組織能力」として捉えることが出来ます。環境対応と戦略適応の関係において、この組織能力の適合は、組織機構(S1)、制度・システム(S2)、人的能力(C1)、組織風土(C2)の基本構成とそれぞれの相互関係として見ることができます。
乱気流水準が高まるにつれて、組織機構(S1)と制度・システム(S2)はより柔軟に、人的能力(C1)はより創造的に、組織風土(C2)はより開放的になっていかなければなりません。
また、戦略と組織能力の適合関係において、同時に「経営機能能力」の適応の在り方を考えていくことが重要といえます。
この経営機能はその基本構成として、マーケティング活動、開発活動、生産活動、財務活動、経営管理活動があります。これらは経営機能能力として乱気流水準が高まっていくことにつれ、探究的、創造的に適合のあり方を追求していかなければなりません。
戦略的な組織適合において、先ずはアルフレッド・チャンドラーの「組織は戦略に従う」と言うことになります。
これは組織能力として、組織構造においても組織機能においても同様です。