ビジネス向けSNS(交流サイト)の大手である米国Linkedln(リンクトイン)が、米国Microsoftに買収される。Linkedlnは世界4億人以上の会員を有しているプロフェッショナルネットワークであり、世界の主要SNSの中で4位の地位にある。当然、最大のSNSはFacebookで会員16億以上である。マイクロソフトは今回のリンクトンの買収により、さらに新たなビジネスイノベーションを図ろうとする。これが成功するかはマイクロソフト自体の自己変革をどのように実現するかにかかっている。この自己変革能力がマイクロソフトのダイナミック・ケイパビリティである。
世界SNSの競争構造の中で、次に続くのは欧米利用者が多い対話型アプリのWhatApp(ワッツアップ)で10億人の会員数とされる。このWhatAppは、一部ではLINEとのライバル関係になってくる。しかし、この競争関係は世界の地域差がその障壁により、結果的に成功してきたともいえるかもしれない。
その中、LINEがほぼ日米同時に上場を果たす。事業開始から約5年で実現を果たすことになる。これは、FacebookやTwitterがそれぞれ8年前後であったことからそれらを上回る早さである。そして日本企業が日米同時に上場することは初めてであると同時に、これまでは世界のSNSが欧米企業によりリードしてきた中においてアジア初の発進である。
LINEにFacebookやTwitterやLinkedlnと比較してどれほど新奇な技術的革新性が存在しているのであろうか。特にWhatAppにおいてはどうだろうか。LINEは日本企業であるとしてが、実はそのスタートは韓国企業に存在する。確かにLINKのビジネスモデルの開発と初の市場展開は日本であったことには間違いはない。LINKの成功は、日本人の欧米型のSNSに対する特有の社会的文化的な違いが存在しているところに気づいたところにある。ここから、どのようなビジネスイノベーションを図っていくかを実現していった。やはり、この経験は韓国企業の存在は大きい。ここには、技術、成功と失敗から学んだ経験、アイデア、自らのミッションの集積にある。そしてビジネス・スタートにおけるフォーカスとビジネス・アイデアの連続性である。
イノベーションは、技術イノベーションだけに限定されるものはないとすることはすでに理解はされている。
結果的に、自社のおいてのイノベーションとは一体何かを不断に明らかにするすることである。それを全社ぐるみで共有し続けることが重要である。さらに、企業の文化にしていくことにある。文化になればそれは単なる業務ではない。イノベーションを業務とかけ声にしている間は、多分イノベーションは生まれてこないかもしれない。イノベーションを文化にして楽しいもの、楽しいこと、楽しい職場にしているところに、現実的な意味でのイノベーションの本質が存在しているのかもしれない。
さて、今回のMicrosoftとLINEの事例をもう一度、イノベーションの視点から考えてみるとどのように映り出されるだろうか。