これからの日本企業の在り方をひるがえって直視していきますと、まさにグローバル環境の乱気流環境下の中で、いまこそ戦略経営実践へのパラダイムシフトが求められているといえます。
これは絶えず競争優位性を高めながら持続的な利益成長を実現し、同時にH.I.アンゾフが示唆する環境貢献組織(ESO)として自社の在り方を探求・創造していくことにあります。そして、自社の「戦略アイデンティティ」と「戦略ビジョン」を中核とする戦略経営の実現が挑戦課題として存在しているのです。
戦略経営の本質は、「環境と戦略と組織のダイナミックな適合を不断に生み出す」ところにあります。
この環境は乱気流渦巻く予測不能のグローバル環境であって、その環境の中で日本企業が戦略的に環境適応を行うため、自らの「自己創造の戦略的イノベーション・プロセス」でもあると言えます。
今日まで、「戦略経営」と「経営戦略」(Corporate Strategy)の識別がままならない中で、多くが混在している状態で戦略経営論が展開されています。その結果として大学教育機関においても戦略経営研究課程と称していても、その内容は従来の経営戦略論の羅列に終始しているのが現実です。
単に、経営戦略の知識やノウハウを身につけて、戦略武装をしたからと言ってそれが「戦略経営実践」にはならないのです。これは企業のレベルにおいてもビジネスパースンにおいても同様です。
先ずは、戦略経営に関する正統的な視点からその考えや捉え方を身につけ実践していくことです。