行動あってこそのインテリジェンス
インテリジェンスの基本は、知力以上に行動力です。
経営課題として、不確実性の増大や変化スピードの速さといったことがいわれますが、これは新たな課題と言えるのでしょうか。実際、いつの時代にも、こうした指摘はなされてきましたし、未来を見通すことの難しさに変わりはないともいえるでしょう。
とかく変化を言い訳にすると、原因を外部に切り離してしまい、せっかくの自省の機会を無にすることにもなりかねません。変わらないことが基本なのではなく、変化を当然と見なして行動していくことが必要と言えます。
変化を当然としたとき、インテリジェンスの意義がはっきりと意識されることになります。 「状況を勘案したうえで、次に何をなすべきか」 自身で己のこれからの道すじ(ガイドライン)を設定する、これがインテリジェンスの役割です。
経営の用語の多くは軍事関連の専門用語として出発してきましたが、「インテリジェンス」もその一例です。象徴的なところでは、機密や諜報といった部分で使われてきました。 なぜ軍事関連なのか、それは対処を迫られる喫緊の課題に向き合わなければならない、まさに差し迫った要請があったことに深く関係しています。
簡単に言い換えるなら、インテリジェンスは対処能力といってもいいでしょう。 だからこそ、変化を肯定的に受け止めると同時に、それに積極的に向き合っていく姿勢がインテリジェンスを論じるうえで避けて通ることができない所以です。
このように、行動してこそのインテリジェンスですが、下手をすると頭でっかちに思考することに囚われて、行動できなくなっているケースをよく見かけます。行動なきインテリジェンスは存在しません。まずは行動していく中でインテリジェンスを高めていくということを意識するといいかもしれません。