習得する知から戦略行動する知へ
インテリジェンス(intelligence)は、時として知識(knowledge)や情報(information)と混在して説明されます。それはインテリジェンスもインフォメーションと同様に情報と訳されるところにあります。そこには本質的な視点からどこが異なるか、どう異なってくるが問われてきますが、インテリジェンスの意味合いとしては実際に理解しがたいものがあるかもしれません。旧来のインテリジェンス・コミュニティが、諜報や外交、軍事を中心に形成されている関係からそれらをイメージして、残念ながら非常に偏った意味を持って伝わっている実状が存在してしまっています。
ただその中でも、企業活動の情報システム領域においてビジネス・インテリジェンス(BI)として取り扱われているケースがあります。
しかしながら、これからの企業経営においてはこれまでのインテリジェンスの使われ方とは一線を画し、いま本質的な視点から、乱気流環境下においての企業経営活動に即したインテリジェンスの必然性を理解していくことです。
インテリジェンスを特定の具象化された情報や知識として見るのではなく、日常のマネジメント活動から生まれる個人知としての現場知から、組織知としての戦略知に醸成し、より戦略的で適応力あるものに変えていく触媒としての重要成功要因(CSF)が、ここで着眼するインテリジェンスであり、これを実践的に経営活動に駆使し成果に結びつけていくプロセスがインテリジェンス・マネジメントです。それゆえ、単にインテリジェンスな事象だけではなく、インテリジェンスある行動というプロセスまでにその視点に重きを置いた戦略的アプローチです。そして、これは個人レベル・組織レベルにおいてのインテリジェンス・リテラシーとして捉えていくことです。これらはインテリジェンス・シンキングがそのベースとなります。
インテリジェンスは戦略と連動していかなければなりません。それゆえに情報としての本質的な意味が、インフォメーションでなくインテリジェンスです。それ故に意図的に区別する立場から、ここでは戦略インテリジェンスとして捉えようとしています。
さらに、インテリジェンスをいま一度、多角的に見つめ直すという視点で、ソーシャルをはじめとする、いくつかの視座からその重要な視点を提起していかなければなりません。そして、むしろ私たちのクリエイティブ・イノベーションにインテリジェンスそのものが存在しているかも知れません。インテリジェンスとはいかなるものか、いま自らが発見し気づくことに本来的な意味が存在します。