インテリジェンスの一般的な用語の意味から確認してみると、インテリジェンスには大きく二つの意味分類があります。一つは人間の知に関する『知性、知能、思考力』など、もう一つは情報活動に関するもの『情報、報道、諜報』などです。
語源は、ラテン語のinter『間』をlego『読む』ということで、“行間を読む、行間から拾い上げる”という洞察的な視点・働きとして解釈されます。
これまでの伝統的な使われ方としては、戦争、軍事用語から出発した「諜報」を指し示すことが多かったようです。インテリジェンスに限らず、ビジネス分野においては、戦略や戦術、オペレーション・リサーチなど、軍事に起源を持つ用語が多く存在しています。
代表的なものとしては、BI(Business Intelligence)といったものが存在します。これはEDP・ERPの発展系から生まれてきたSMISとしての位置づけがあります。この分野は近年のビッグデータの活用と結びつき、情報の収集処理・分析やインフォメーションの仕方に焦点があてられています。
また、CI(Competitive Intelligence)として、企業間の駆け引きといった情報収集活動や競争戦略上における情報生成を意味しています。
このように、インテリジェンスは狭義的に「いかに情報を征するか」という意味で用いられると考えられます。
しかしながら、現実的なビジネスは1対1の直接競争だけではなく、複雑に入り組んだ相互関係を通じて、対社会、対環境の交わりから、新たな競争から共創へとグローバルの世界でオープン・イノベーションしていくことも重要になります。こうした、より戦略的なステージではインテリジェンスは広義に「情報を新たな戦略知に転換すること」や、「戦略知を行動知(現場知)に結びつけること」など、目的の守備範囲は多岐にわたります。
これからのミッションはこの広義のインテリジェンスをビジネスに組み込み、乱気流環境に即応した戦略的アプローチを探求していくことにあります。