『経営は「実行」』著者ラム・チャランの新著で、日米欧「北半球」の発想では戦略は失敗する。「南」のビジネスが常識となる今、我々は何をすべきか、これから「北」側に位置する企業に必要な戦略・組織構造・リーダーのスキルとは何かを問う。大変革する世界で勝ち残るための競争ルール、ノウハウを示す。
ラム・チャラン著 日本経済新聞出版社 2014.4(1800)
著者シンシア・モンゴメリー氏はハーバード・ビジネス・スクールの教授で、世界中の会社のオーナー、経営者のみに向けた「エグゼクティブ・プログラム」の戦略論の講義で高く評価されている。
これは年間売上が約10億円~2000億円の企業の創業者、オーナー、経営者だけが受講できるプログラムで、中心的なテーマは「戦略」と「リーダーシップである。世界中から集まった現役リーダーたちが、企業戦略をいかに練り上げるかを議論し、実際のビジネスの現場へ応用する。そして成果をフィードバックして再び討論するという、実践的な戦略論が繰り広げられる。
この「ハーバード戦略教室」が一般向けで初の単著である。本書は、公開されることのないこの講義の真髄を初めて書籍化したもので、世界最高のビジネススクールの、それもエリートたちへの講義だからとして、難解な机上の経済理論が戦わされるわけではない。あくまで具体的な有名企業の実例で、どうして戦略が成功し、また失敗するか、戦略をいかに実現するのか、それを率いるリーダーの資質とは何なのかといった議論が、生き生きと語られてゆく。内容として特に新たなところは見られないが、現実的な戦略とリーダーシップの関係性が理解できる。
シンシア・モンゴメリー著 文藝春秋 2014.1(1500)
著者のミネソタ大学カールソン経営大学院アルバート・スチュアート教授は研究調査に基づいた、実践的タイミング・マネジメント手法の開発者として屈指のタイミング研究のエキスパートとされる。
この「パーフェクト・タイミング―最高の意思決定をもたらす戦略的時間術」が長年の研究のエッセンスをまとめた初の著作である。
不確実環境下における戦略的意思決定とその実行においては、その絶妙なタイミングが大きく影響してくる。意思決定における時間戦略の成功法則を知っておく事は重要である。2000件を超える事例分析からビジネスの難題に答える、初めてのタイミング・マネジメントについて、絶妙のタイミングで決断するための6つの戦略を示している。
スチュアート・アルバート著 河出書房新社2014.2(1800)