戦略デザイン

デザインと戦略 二つの並列するアプローチ

デザインというとプロダクトを思い浮かべるかもしれません。しかし、ここでいうデザインは企業における志向性の問題として扱います。デザインはマネジメントに係るコアコンセプトの一角です。
それは、企業のグランド・デザインとしての位置づけです。これは企業の将来構想であり、その性格は戦略デザインとして意味を持ち、ビジネスデザインでもあります。
この領域では、一般的な意味でのデザインに比較して、相当に広範な領域で問いかけるデザインのテーマです。この違いを予め踏まえて、新しいデザイン思考力を築いていただければと思います。

ここではデザインと戦略は同様の性質を持ちます。戦略の策定は正にデザイニング・プロセスであって、ここから導き出される戦略コンテンツは創発的な戦略です。
本来、デザイン・プロセスは目的性自体に照準を合わせるところから、その目的実現までもが焦点に入ってきます
この創発的なデザイン思考に基づいた戦略の創造と構築の本質は、戦略策定プロセスにおける新たな気づきであり、新たな発見に存在しています。そこには戦略インテリジェンスが不可欠な要素と言えます。戦略は手続きやプロセス、スキルで生み出されるものではないことはすでに承知していることです。そこには戦略情報が存在していて、そこから新たな気づきと発見を獲得していく事です。そこには新たな独自なモノを生み出そうとするデザイン思考がベースにあり、戦略情報を駆使しながら創造的な思考の結果から生み出されるものであると言えます。

デザイン手法をもっての戦略の創造であるとか、戦略をデザイン的に処理する向きがありますが、それはここで取り扱うテーマとは異なる問題系です。

デザイン・ターゲットを示して表現するならば、たとえば目的のデザイン、使命のデザイン、将来のデザインといった理解があるでしょう。また時として、これを顕在的なビジネスという形で成果に向け、方向づけるものが戦略として形づけられてくるかもしれません。この意味ではデザインは非常に創造的で広範な領域を扱うことになりますが、デザイン視点があるからこそ、戦略が明確に定められるという関係性を理解しておく必要があります。

 


insight_D『ビジネスデザイン』を参照してください

insight_D『基本フレームとインテリジェンス』 を参照してください