これまでの代表的な6つの潮流におけるリーダーシップ論や、そのリーダーシップ研究はその時折の時代背景や文脈を通じて、構築されてきた。この立場に準拠して考えていくと、これからの時代背景や時代認識において、企業や組織また個人において、いかなる外部環境変化に遭遇してくるのであろうか。
今日の環境変化の特徴はまさにカオスの状況下にある。それは環境変化は不透明で不確実な環境下で、将来予測する事は限りなく困難である。そして、環境変化の特徴は、リスクのみならず新たなチャンスを同時に生み出してくる。変化は時間軸を持って変化し続けている事からして、絶えず新たな事象を生み出しているのである。
その様な意味からして今日の環境特徴においての時代認識は、まさに乱気流環境の時代なのである。この乱気流環境の特質は、環境と時代の構造的変化を示し、その本格的な特質と非連続性にあるといえる。
この認識に立って、自らのこれからのリーダーシップのあり方を判断し、求めていかなければ成らないのである。
環境変化における乱気流環境は、現状延長型で連続的な変化の特質でなく、またこれらの環境変化は同質的で過程的な変化ではないことは確かである。それは予測困難な状況であり、予測不能な状態である。つまり連続的な同質的な環境変化ではなく、異質的で非連続的な変化である。そして過程的変化でなく構造的変化である乱気流環境は、絶えず新たな競争ルールを生み出し、同時に新たな脅威と機会をも生み出してくる。この構造的変化の非連続化の常態は、戦略的意思決定の的確さとスピードを求めてくる。
このことは戦略的なアジル経営を求めているのである。つまり、これらの変化に適応するリーダーシップが求められるのである。
こうした外部環境がもつ根本的な変化の視点から、新たな時代に即応するリーダーシップの開発とその発揮が求められる。このリーダーシップのあり方は何よりも環境適応能力であり、戦略的な環境適応のあり方について発揮していかなければならない。つまり、このリーダーシップ能力は自らが戦略を創造していくリーダーシップ・プロセスであるといえる。
これは、戦略リーダーシップにおける戦略創造プロセスである。